個別注記表の辞書を作ってみた。
現時点で32社の情報を参考にしています。
設立して第1期目の法人クライアントの決算を現在補助しているのですが、
何かと新しく作らなきゃいけないので割と手間がかかります。
2期目以降なら、昨年のものを参考にできますからね。
内訳書や事業概況説明書も大概手間ですが、中でも一番神経を使うのが、
そう、個別注記表です。
個別注記表とは、簡単にいえば決算書だけでは分かりづらいことを補足するものです。
つまり決算書の数字と同じぐらい重要です。
・・・いや、他のは重要じゃないという意味ではありませんよ、決して。
さて、この個別注記表ですがわたしが作るときは他社でこういう文言があったなー、
とたどることが多いのですが。。。
いや、ここに作ったらよくない?
ということで、またもや作りました。少しずつできていくシリーズ。
前置きはこのくらいにしてとりあえず作ってみます。
基本は目次から飛べるようにしますが、面倒な方はブラウザの文字検索でサクッと行ってみてください。
なお、念のため言っておきますが数字は適宜変えてくださいね?
一番最初に記載するもの
中小企業会計要領に基づいて作成してることを記載するとき
この計算書類は、「中小企業の会計に関する基本要領」によって作成しています。
中小企業会計要領については、以下のページをご確認ください。
チェックリストを記入しないといけない少し面倒なものですが、
場合によっては日本政策金融公庫で優遇金利で融資してくれたりするケースもあるので、
記載してあげると喜ばれるかもしれませんね。
重要な会計方針に係る事項に関する注記
商品・製品に関する評価基準・方法について記載するとき
資産の評価基準及び評価方法
たな卸資産の評価基準及び評価方法
原材料 先入先出法による原価法
製品 売価還元法による原価法
資産の評価基準及び評価方法
たな卸資産の評価基準及び評価方法・・・個別法による原価法
資産の評価基準及び評価方法
たな卸資産の評価基準及び評価法・・・売価還元法による原価法
資産の評価基準及び評価方法
棚卸資産の評価基準及び評価方法・・・最終仕入原価法
収益・費用の計上基準について記載するとき
収益及び費用の計上基準
収益は実現主義により、費用は発生主義により計上している。
収益及び費用の計上基準・・・収益は実現、費用は発生により認識
収益及び費用の計上基準
発生主義による
企業会計原則で定まっている内容です。
個別注記でわざわざ載せるまでもない項目だと思うのですが、参考までに記載しておきます。
減価償却の方法について記載するとき
固定資産の減価償却の方法
有形固定資産・・・法人税の規定による定率法
但し、平成10年4月1日以降取得建物及び
平成28年4月以降取得附属設備・構築物は定額法無形固定資産・・・法人税法の規定による定額法
固定資産の減価償却の方法
有形固定資産 建物及び建物附属設備・・・定額法
上記以外・・・・・・・・・定率法無形固定資産 社内における利用可能期間(5年以内)に基づく定額法
固定資産の減価償却の方法
有形固定資産 定率法
(ただし、平成10年4月1日以後に取得した建物、及び、平成28年4月1日
以後に取得した建物附属設備、構築物は定額法を採用している。)
固定資産の減価償却の方法
建物 定額法 その他の有形固定資産 定率法
無形固定資産 定額法
固定資産の減価償却の方法
有形固定資産…法人税法の規定による定率法
(但し、平成10年4月1日以降に取得した建物、及び
平成28年4月1日以降に取得した建物附属設備・構築物は定額法)
無形固定資産…法人税法の規定による定額法
少額固定資産…3年均等償却
固定資産の減価償却の方法
有形固定資産:定率法
但し、以下のものに対しては定額法を採用しています。
・平成10年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備は除く)
・平成28年4月1日以降に取得した建物附属設備並びに構築物
固定資産の減価償却の方法
法人税法の規定による
これはシンプルすぎるのが少し不安ですが、一番楽ちんですね。。。
一応コレで申告して何も言われていません。
固定資産の減価償却の方法
有形固定資産…法人税法の規定による定率法
固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産・・・法人税法の規定による定率法
(2)無形固定資産・・・法人税法の規定による定額法
固定資産の減価償却の方法
有形固定資産 定率法
無形固定資産 定額法
固定資産の減価償却の方法
有形固定資産…法人税法の規定による定率法
無形固定資産…法人税法の規定による定額法
一括償却資産…3年間の均等償却
これらの表記は有形固定資産に建物や建物附属設備が入っていない、もしくは
・平成10年4月1日以降に取得した建物
・平成28年4月1日以降に取得した建物附属設備・構築物
これらが存在しない場合のみ使える表記ですね。
以下がソースです。
参考までに記載はしておきますが、他の表記方法の方が長く使えるのでベターかと思います。
固定資産の減価償却方法
有形固定資産 建物は法人税法の規定による定額法
(平成10年3月31日以前取得分については定率法)
建物附属設備及び構築物は旧法人税法の規定による定率法
(平成28年4月1日以後取得分については法人税法の規定による定額法)
上記以外の有形固定資産は法人税法の規定による定率法
業歴が長い企業のものなので少し表記が小難しいですね。
新設法人とかはもっとシンプルな表記で構わないです。
ただ、このような表記をする必要がある企業をクライアントに持つ方が見てくださってる方がいないとも言い切れないので、載せておきますね。
法定繰入率で貸倒引当金を計上しているとき
引当金の計上基準
債権の貸倒れによる損失に備えるため、法人税法の規定による法定繰入率により計上している。
引当金の計上基準
貸倒引当金…法人税法の法定繰入率により計上しております。
貸倒引当金を法定繰入率のほか、個別債権も計上しているとき
引当金の計上基準
債権の貸倒れにによる損失に備えるため、
一般債権については法人税法の規定による法定繰入率により計上するほか、
個々の債権の回収可能性を勘案して計上しています。
引当金の計上基準
貸倒引当金
一般債権は法人税法の規定による法定繰入率により計上し、その他は個々の債権の回収可能性を勘案して計上している。
引当金の計上基準
貸倒引当金…債権の貸倒れによる損失に備える為、
一般債権については法人税法の規定による法定繰入率により計上するほか、
個々の債権の回収可能性を勘案して計上しております。
賞与引当金を計上しているとき
引当金の計上基準
賞与引当金…従業員の賞与支給に備えるため、支給見込額の当期負担分を計上しています。
退職給付引当金を計上しているとき
引当金の計上基準
退職給付引当金
期末自己都合要支給額により計上している。
引当金の計上基準
退職給付引当金…従業員の退職給付に備えるため、退職金規定に基づく期末要支給額により計上しています。
有価証券を持っているとき
資産の評価基準及び評価方法
有価証券の評価基準及び評価方法
その他有価証券・・・移動平均法による原価法
資産の評価基準及び評価方法
有価証券の評価基準及び評価方法 移動平均法による原価法
資産の評価基準及び評価方法
有価証券の評価基準及び評価方法
取引相場のある有価証券
決算期の市場価格に基づく時価法(評価差額は全部資産直入法により処理する)
資産の評価基準及び評価方法
有価証券の評価基準及び評価方法
1.時価のあるもの・・・総平均法に基づく原価法
2.時価のないもの・・・移動平均法に基づく時価法
リースを費用処理しているとき。
この辺記載している中小企業はあまり多くはありませんでしたが、
一応載せておきます。
その他計算書類の作成のための基本となる重要事項
リース取引の処理方法
リース取引については、賃貸借取引に係る方法により、支払リース料を費用処理しています。
その他計算書類の作成のための基本となる重要事項
リース取引の処理方法
リース物件の所有権が借主に移転するもの以外のファイナンスリース取引については、
通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理によっている。
その他計算書類の作成のための基本となる重要事項
リース取引の処理方法
リース物件の所有権が借主に移転するもの以外のファイナンス・リース取引については、原則として通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理によっております。
但し、例外として金額の重要性が乏しいものについては賃貸借取引に係る方法に準じた会計によっております。
消費税について記載するとき
免税事業者の場合
その他の計算書類の作成のための基本となる重要事項
消費税等の会計処理
消費税等の会計処理は、免税事業者のため税込方式によっています。
その他の計算書類の作成のための基本となる重要事項
①消費税等の会計処理
消費税等の会計処理は、免税事業者の為、税込経理方式により処理しております。
その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項
消費税の会計処理 免税事業者のため税込経理方式と同様の方法による。
税込経理の場合
その他の計算書類の作成のための基本となる重要事項
消費税等の会計処理
消費税等の会計処理は、税込方式によっています。
その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項
消費税の会計処理 税込経理方式による
税抜経理の場合
その他の計算書類の作成のための基本となる重要事項
消費税等の会計処理
消費税等の会計処理は、税抜方式によっています。
その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項
消費税等の会計処理
消費税等の会計処理は、税抜経理方式により処理しております。
その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項
消費税等の会計処理 税抜経理方式により処理している。
ここまでが推奨例です。
あとは番外編。
消費税の会計処理
税抜処理方式
消費税の会計処理は税抜方式によっています。
いや、間違ってはいないんですけど。
間違ってはいないんですけどシンプルすぎてなんかこう、美しくない。。。
というか中タイトルである「その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項」
が記載されていないので、あんまりおすすめはしません。
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貸借対照表に関する注記
決算書に減価償却累計額が載っていないとき(直接法の場合)
有形固定資産の減価償却累計額 10,000円
期末において割り引いている手形(割引手形)がある場合
受取手形割引高 1,000,000円
受取手形裏書譲渡高 1,000,000円
役員に対する金銭債権・金銭債務がある場合
取締役等に対する金銭債権・金銭債務
金銭債権 1,000円
金銭債務 2,000円
関係会社に対しての資産、もしくは負債がある場合
関係会社に対する金銭債権又は金銭債務
内訳
科目名 金額
売掛金 1,000,000円
未収入金 500,000円
未払金 300,000円
買掛金 1,000,000円
期中は税込経理で、期末に税抜表記に一括で振り替えている場合
消費税及び地方消費税の会計処理・・・期末一括税抜処理による
こんな表記、というか処理自体初めて見ました。
期中は自社で、決算のみ税理士などに頼むケースではこういうのもあるかもしれませんね。
期末一括税抜について詳しくは以下のページがわかりやすかったのでご確認ください。
消費税の「期末一括税抜経理方式」とは?(堀越まこと経営会計事務所)
お世話になりました、ありがとうございます。
「重要な会計方針に係る事項に関する注記」にて「税込経理方式」
としか記載しておらず、免税事業者である旨を別途補足する場合。
消費税及び地方消費税の会計処理・・・免税事業者のため未処理
この表記だいぶ珍しいな、と思いながら記載しています。
正直「重要な会計方針に係る事項に関する注記」で記載すれば全く問題はないので、
使うケースとしてはほぼないでしょうが、
一応こういう表記をしている会社もありましたよ、という情報共有です。
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損益計算書に関する注記
関係会社に対して売上などの取引がある場合
関係会社との営業取引による取引高の総額
売上高 10,000,000円
販売費及び一般管理費 500,000円
株主資本等変動計算書に関する注記
株式の数を記載するとき
当該事業年度の末日における発行済株式の数 100株
発行済株式の種類及び総数
普通株式 100株
当期末における発行済株式の数 100株
当該事業年度の末日における発行済株式の数
普通株式…100株
発行済株式の種類及び総数に関する事項
普通株式
前期末株式数 100株
当期増加株式数 0株
当期減少株式数 0株
当期末株式数 100株
発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式に関する事項
前期末株式数 当期末株式数
発行済株式(普通株式) 100株 100株
(合 計) 100株 100株
自己株式の数を記載するとき
当期末における自己株式の数 100株
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税効果会計に関する注記
繰延税金資産の内容について記載する場合
繰延税金資産の発生原因別の主な内訳
未払事業税 500,000円
一株当たり情報に関する注記
一株当たりの純資産額について記載するとき
一株当たり純資産額 100円10銭
一株当たりの当期純利益高を記載するとき
一株当たり当期純利益金額 100円10銭
1株あたりの当期純利益 100.11円
よくよく考えたら、個別注記表って横書きなので「一」じゃなくて、「1」の方が正しいのか。
なんか昔からの慣習って感じがします。大体の会社って漢数字なので。
あと、「銭」もそうですよね。
今は存在しない単位なので、これからはコンマ表記でもいいような気もする。。。
あくまで個人の感想なので、お好きな方をお使いください。
どちらも注記表として間違ったものではありませんので。
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